IT業界の常識・非常識

2009年6月11日  カテゴリー:かしこい客になる方法  執筆者:ルウシイ杉山

IT業界は、建設業と比べられます。
ゼネコン会社のように、元請けの会社が、お客さまから受注したシステム開発を子請会社に発注して、それをまた子請会社が孫請会社に発注することが、多々あるからです。

もっとも、ビル建築のような大規模プロジェクトだから、お客さま→親→子→孫といったことが多いのですが、個人の住宅建設であれば、お客様→建設業者といった直接の取引も多いはずです。
IT業界も同様に、小さな規模のシステム開発だったり、お客さま自体が小さな組織の場合には、お客さま→ソフトウエア会社の直接取引になります。

まずは、IT業界では常識と思われている変なことを幾つかお話したいと思います。


1)システムエンジニアとプログラマの違いは?

ひとつの情報システムというのは何十本、何百本のプログラムからなっています。
その設計をするのがシステムエンジニアで、作るのはプログラマです。

通常、プログラマを何年か経験してから、システムエンジニアになることが多いものです。
当然、システムエンジニアの方が単金は高くなるはず・・・
ところが、現在、この呼び名は不明確なものになっています。
よく見かけるお仕事募集で「JAVAのシステムエンジニア」などと呼ぶのが、いい例です。
「JAVA」はプログラム言語ですから、プログラムを作るときに使うものです。
JAVA自体がわからなくても設計は、できるはずですが・・・

また、キャリアが2年や3年ではシステム設計をできるはずもないのですがシステムエンジニア・キャリア2年以上などという募集もあったりします。
15年前位は、当社では「システムエンジニアの肩書きは、最低でも6~7年たたないとつけない。」などと勝手に決めていました。

当社の場合は、1年目は必ず「プログラマ」なので、2年目以降ということになりますが、SE暦1年目でもつけますよ。もちろん。
まずは、名前を貰ってから成長するでもいいのかな?とも思うしね。

結論:プログラマとシステムエンジニアの違いは明確にあるはずだが
   実際の呼び名はビミョーである。


2)IT業界の単価はどうやって決まるのか?

SEやプログラマの料金は、一人月(いちにんげつ)といいます。
一人で一ヶ月かかって、納められる仕事量をこう呼びます。
しかしなぜか、一人月は新人とキャリア30年選手とでも変わることはありません。

ではどうやって決まるか?元請け会社のルールで決まるようです。

例えば、こんな風にです。(あくまでも例)
・システムエンジニア 80万円/一人月
・プログラマ 70万円/一人月

たまに、特殊な技術をもった人だと一人月200万とか300万といった話も聞くことはありますが、まだそういう人とお会いしたことはありません。
「質」は、何人のエンジニアの数を足しても、絶対に手に入れることのできないものです。


3)総費用は「機能」で決まるものなの?

ともいえませんね。

当たり前のことですが、工期にもよります。3ヶ月より6ヶ月、6ヶ月より1年のほうが、料金は高くなります。
仕事の機能が半分でも、長い時間(=拘束期間が長い)かかれば、お金はかかるものなのです。
まったくシステムとは関係ないところで時間を食ってしまうのです。
これが一番まずいことで、ここが分かっていないお客さまが多いですね。

例えば、事前に社内の意思疎通を図ってないまま会議に出てしまう。
社内の勢力争いや責任のたらい回し。ルール決めで、揉めて仕様がまとまらない。
何度も打ち合わせを繰り返したあげく「物理的に時間が足りないなら、納期は延ばしてもいいですよ」
なんて言っていると、必ず料金や質のどこかでリベンジを食うものなんですよ。

束縛されている期間は、半分、他の仕事をうまく入れてというわけには、行きませんからね。
相手を束縛した時間が、そのまま料金にはね返るわけです。
分かっているお客さまは、ここのところをきちんと理解しているものです。
だから、一気呵成にプロジェクトを進めます。

機能にあったスケジュールをたてる。
短すぎもせず、長すぎもしない。これが重要です。

執筆者: 杉山 淳子

株式会社アイロベックス 代表取締役社長
SEとして26年のキャリアを持つ。 SEという職業を誇りに思い、心から愛している。
今の願いは、「リスペクトカンパニー」  一流のプロフェッショナルにみんなを育てること。
社長のブログ掲載中> http://blog.livedoor.jp/ilovex_sugiyama/

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