「7つの習慣」のご紹介
長い休みを前にして、何か本を紹介しようと思っていました。
個人的な話になりますが、本読みが好きで多読です。
小学校低学年の頃から本を乱読していました。
だから、読むのがかなり速いのです。
読み終えた直後は、感動したり、様々な読後感が残っているのですが、多読ゆえか、速読ゆえか、なかなか、これ1冊をという本がありません。
SE、経営者になってからは、専門書も読むようになりましたが、1年も経ってしまうと、本を読んだということは覚えていても、本に何が書いてあったかまで、覚えている本は本当に少なく、これって読書する意味があるのだろうか?と自分でも疑うくらいなものです。
このメルマガは、どちらかといえば若いSEを対象に書いています。
紹介するには、要件定義について書かれた本がいいのか、コミュニケーションについて書かれた本がいいのかと迷っていましたが、冬休みに読むには適していないと思い、これに決めました。
「7つの習慣 成功には原則があった」スティーブン・R・コヴィー著 / キングベアー出版
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既に、読まれた方も多いかもしれませんが、読み返すごとに、何か新しい気付きがあります。
この素晴らしい本を要約するのは、恥ずかしく、気が進みませんが、なぜここで紹介しようと思ったかを簡単に説明したいと思います。
SEやプロジェクトマネージャーという仕事上の職務において、普通の人は「業務知識を得たい」、「コミュニケーションスキルを磨きたい」、「見積でミスしない方法を知りたい」、「リスク管理の勉強をしたい」と思っています。
もちろん、私自身も長い間、そう思ってきて、技術的な専門書をひたすら読んできました。
しかし、どうしても技術的なテクニックだけでは、うまくいかないことがあるのです。
いいえ、うまくいかないプロジェクトの方が多いと言っても過言ではないでしょう。
ほとんどのプロジェクトが、問題を抱えているのです。
予算が厳しい、納期が短いといった、在り来たりの問題だけでなく、チーム内部の問題、取引先との問題もあるでしょう。
それ以外にも、メンバ間の人間関係、本人の家族の問題があります。
家族だけでなく、彼女や彼との問題、広げれば友人との関係性の問題もあるのです。
こういった場合に、個人の価値観の違いが出てきます。
お客さまの価値観、奥さんの価値観が、「人が足りない」「仕事が切羽詰っている」という、技術者としての自分の考えと合わず、苦しむのだと思います。
この本が示している「原則」で、一番素晴らしいのは、公的成功の前に個人としてのあなたの考え方、行動において、「毎日の私的成功」をしなさいと言っていることです。
仕事をとるか家庭をとるか、などという選択はこの本には書いてありません。
私たちの人生が1つのプロジェクトだと考えれば、それは明らかでしょう。
仕事なのか、家庭なのか、遊びなのか、といった選択肢の中から1つだけを選ぶのは、人生においては、明らかに間違っているからなのです。
原則で考え、主体的に選択しなさい、と教えてくれます。
また、原則に忠実、スケジュールに柔軟であれ、とも教えてくれます。
特に人の問題については、短絡的に能率を考えることはできないと教えています。
「個性主義のテクニックやスキルだけで、人間関係を円滑に、そして、スムーズに進めようとする風潮がある。しかし、そういったテクニックではなく、本来は、私たちの人格そのものが問われるのである。」と言っています。
人生について、私生活をどう生きるかについて、大きな示唆を与えてくれるこの本を読めば、たった1つのプロジェクトが抱えている問題など、取るに足らないことだと思えてきます。
その上、プロジェクトが抱えている問題こそは、人生の中でもっと大事な、常にあなたの前に立ちはだかってくるあなた自身の問題そのものであることに気が付くのです。
人生はあまりに長いように思え、また、多くの成功がちらつきすぎて、何に向かって努力してよいか分からず、人は迷ってしまうのでしょう。
この本を読むと、プロジェクトの成功のためにSEとして何をすべきかが、きっと分かるでしょう。
そしてそれは、人生における自分自身の成長のためにすべきことと同じなのだということも理解できるでしょう。