2004.10.07

情報流出の近未来

組織のネットワークを管理しているものにとって、データの流出事故を防ぐということは
大変に大きな課題であると思う。

現状では、一般的には Proxyなり FireWall、または IDSを正しく設定/運用さえしておけば
例えば故意あるいは過失で、ハードディスク内のデータを
片っ端から外に送りつけるようなウイルスに感染してしまったとしても、
外部への情報の流出がおきることはほとんどない。
これはネットワーク経由である限り、悪意を持った者の情報持ち出し行動に関しても
ほぼ当てはめることができる。そこにかなりの安心が得られていると思う。

ただし、次代の管理を考えた場合、
『ステガノグラフ』にどう対処するかが非常に重い課題となるかもしれない
とある雑誌に載っていた。
『ステガノグラフ』とは、一般的には画像に、一見それとは判別付かないような
微妙なモアレなどを使って全く異なる情報を埋め込んだりすること。
例えば、画像に人間の目には見分けられない QRコードを埋め込んで携帯のカメラで処理させる
という技術は実用間近とのことだし、さらに研究室レベルでは一見普通に見える
テキストファイルにまで、別の情報を入れてしまうなんてことも研究されている
(例えば、改行位置や半角/全角スペースの調整に情報を埋め込む等)。

管理者の立場からすると、こういったものまで現行の Proxyなり FireWallの拡張で
検出できるのかというと、かなり否定的見解にならざるを得ない。
近い将来、例えばネットワークを流れるファイルの『エントロピー』を測り、その情報を
蓄積しておいて揺らぎを算出する等、全く新しい検出方法でも編み出されないことには
それと認識できない情報流出が起き始めるのではないか?


話が膨らみすぎました。
そういう杞憂は NSAなんかに任せておいて、
自分たちには自分の組織のネットワークを利用する関係者のモラルの教育が優先だな
と思う今日この頃です。

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