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PMの仕事を考える

年末が近づいてまいりました。

忘年会も頻繁に行われるし、年明けの納品を睨んでいる人たちにとっては、厳しいスケジュールが続いていることでしょう。

今年の年末から来年のお正月にかけてのお休みは、9日間という企業が多いようです。(当社も、珍しく9連休とさせていただきます)

この休みを嬉しいと思っていたSEも、いざ休みを目の前にすると、スケジュール通りに仕事が進んでいない現実を目の当たりにして、どうしようと悩んでいる場合が多いのではないでしょうか。

休みになると、好きなときに、好きな時刻に会社にやってきて、ちょっと仕事をして、すぐ帰ってしまうという技術者を見かけます。
(こういう人達が出社するのは、午前中ということは、決してありません)

彼らが単に「前倒し作業」を心掛けて、部下が少しでも仕事をしやすいように準備しているのだとすれば、それはとても良い心掛けです。

しかし、そういう人ばかりではありません。

遅れてしまっている作業を行うためであったり、タスク一覧には載っていなかった作業で、人には言えない作業を行うために、会社に来る人もいます。

また、納期を守るためという御旗のもとに、納期前日になって徹夜をする技術者がいます。
私には、納期前日の徹夜作業という事態が、疑問に思えるのです。

例えば、その作業が工数24時間以内程度の小さな仕事であったならば、多少の見積もりミスが生じて、徹夜作業になってしまったということはあるでしょう。

しかし、数人の作業者が何週間もかかる作業が、最後の1日に徹夜して、ぎりぎりで間に合うということがあるものでしょうか?

要するに、何を言いたいかというと、納期の前日になって徹夜しなければならなかったという仕事は、完全に作業を終えていないのではないか、ということなのです。

納期直前になって、到底終わらないことに気づき、徹夜作業になったが、結局、時間切れになってしまったのではないか、ということなのです。

あとどの位で作業が終わるかを、勘に頼ってスケジューリングしていると、こういう事態になります。

もちろん、システム開発の仕事というのは、スケジュール通りに進むことが難しい仕事です。

たからといって、それまで徹夜していなかった作業者が、最後に、つまり納期の前日に徹夜して、ちょうどぎりぎりで間に合った、などという偶然を信じることはできません。

納期の前日の昼間にきっちり終了していない仕事については、どう考えても、徹夜をするのではなく、1日、2日伸ばしてもらうべきなのではないか。
徹夜をすれば、ぎりぎり間に合いそうだと思ったとしても・・・。

いやいや、その何日か前に交渉すべきだとか、もっと生産性をあげるとか、仕事を調整して減らすとか、他にできることは1週間前ならもっとあったはずです。

SEは、プログラマを抱え、部下の管理だけでなく、お客さまとのやりとりをしなければならない、日々、常に多くの仕事があります。

その日常の中で、雑用に追われ、仕事で「やっていないこと」が見えてないことがあるのです。
だから、こういう長い休みのときに、1日、会社に出て、客観的に全体を見直すこと、役割、分担、売上、原価、手法などあらゆる面から見直すのは、良いことだと思うのです。

そこで提案です。

「休みの日に、プログラムを作る、直す、チェックするなどの現場作業をしない。」と、一度、宣言するのはどうでしょうか。

その上で、自分がしなければいけないタスクを再度洗い出して、チーム全員で残作業を常に共有していく。

本来のPMの仕事は、潔く、真実を見つめることから始まるのです。

Vol.00126

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2007年12月18日 11:30に投稿されたエントリーのページです。

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