先週、東京ビックサイトで「ソフトウェア開発環境展」が開催されました。
毎年、情報収集のために訪問しているのですが、今年は、出展社数も多く、内容もずいぶん充実していたような気がします。
当社は、システムの受託開発が主な仕事となります。
システムにおいて、画面入力の作業は、非常に重要な部分を占めています。
自社の開発したシステムはいつも見ていますが、他社の仕事を見せていただいたり、操作したりする機会はそう多くはありません。
そういった意味もあって、展覧会に行って、他社が開発したシステムを見せていただくのは本当に楽しみです。
展示されている各社の画面設計を見せてもらい、簡単な質問をさせていただきます。
システムの機能もさることながら、
どんな画面設計をしているんだろうか?
デザインはどんな風に凝っているのか?
操作性は良いだろうか?
といったところが興味をもつ部分であるわけです。
当社には、専任のグラフィックデザイナがいることもあって、ソフトウェア開発会社としては、デザイン性が良いものを提供しているという自負が、多少、ありました。
しかし、今年のソフトウェア開発環境展へ行って、本当に驚きました。
各社、かなりデザイン性にも優れ、且つ、操作性も追及したものが出ていました。
特に目についたのが、Ajax(エイジャックス)※ を用いた画面プログラムでした。
-- ※Ajaxとは ------
Webブラウザに実装されているJavaScriptのHTTP通信機能を使って、Webページのリロードを伴わずにサーバとXML形式のデータのやり取りを行なって処理を進めていく対話型Webアプリケーションの実装形態。
(IT用語辞典より http://e-words.jp/w/Ajax.html)
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ご存知のように、Webブラウザ上で動くシステムにおいて、これまでは、クラサバのような画面操作性は求められていませんでした。
それは、Webプログラミングの標準といった考え方でもありました。
操作性を良くするために、FLASHを使用することを考えている会社もあるようでした。
ところが、近年、Ajaxが当たり前のように使われるようになりました。
確かにgoogleアプリケーションなどで、Ajaxに慣れてみれば、直感的に使える、操作に“ぶつ切り”の違和感がないといった良いことばかりが目につきます。
しかし、実際には、システム開発の現場、特にユーザーごとに独自のアプリケーションを開発しているような現場では、まだまだ、全面的にAjaxを使うというところには至っていません。
それは、当社においても、画面操作で、Ajaxは、一部のみ対応している、といったところだったのです。
ところがソフトウェア開発環境展に行ってみれば、右も左もAjaxだらけだったわけです。
世の中の主流が、もうそうなっているのだと、反省致しました。
結局、操作性を追及すると
・プログラム工数が掛かる
・バグが潜みやすい
・最初の画面デザインで、動きをより細かく固めておく必要がある
・どのようなことに、どの位の工数が掛かるのか、また、実現が可能なのか、分かる人が少ない
といった問題がどうしても出てきてしまうのです。
しかし、このIT業界。
そんなことを言っていられない業界でもあるわけです。
大変なことをやらずしてどうする。新しいことに挑戦せずしてどうする。
実際、最初は大変だと思っても、
経験・実績という慣れが助けてくれるのです。
そしてフレームワークをどう作っていくか、だけなんでしょう。
(簡単なことのように言いましたが・・・)
デザインの素晴らしさも同じです。
「こんなもので良いだろう」などと、ゆめゆめ思わず、常に、より良いものを追及していきたいと思うのです。
ただし、生産性は本当に大事です。
良いものであれば、どんな時間を掛けても良いということは決して有り得ません。
要するに、どうやったら無駄な時間、工数を使わずに良いものが出来るのか、です。
少なくとも、Ajaxや画面デザインは、インターネット上で、世界中の会社が作ったものを体験できるはずです。
下記に、Ajaxのデモサイトをいくつか挙げておきます。
・Ajaxのサンプルが山のようにある。サイト自体の作りもAjax。
http://Ajaxrain.com/
・ASP.NETとAjaxのサンプル集
http://jsAjax.com/SamplesByTreeView.aspx
受託開発において、画面のデザイン・操作性はどこまで追及すべきか?
それは、自社の開発レベルを上げていく挑戦でもあるのです。
Vol.00145