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運用負担を少しでも軽くする

「月末締め」「請求締め」「期末締め」といったように、企業の基幹システムには「締め」という観念や仕組みが、必ずともなうものとなっています。

また、締めを一つのタイミングとして、各種の他システムとの連携が図られています。

例えば、販売管理システムから会計システムに連携データを渡す場合、月末締めをタイミングとして渡すことが多いのではないでしょうか。

また、連携してしまった伝票は、元のシステムでは修正できないというのが通常のルールとなっています。

販売管理システムにおいて、「借方:売掛金 4,200,000円/貸方:売上 4,000,000円、借受消費税 200,000円」という情報を引き渡してしまってから、返品伝票が抜けていることが分かった場合、この情報を取り消すことはできません。

一番良いのは、抜けていた伝票だけ追加で引き渡すことです。

しかし、間違っていた(抜けていた)と分かったときに追加伝票が入力できないシステムも、世の中には多く見受けられます。

要するに、操作で間違えることを前提としていないのです。

人間は、間違えミスをする生き物なのに・・・です。

「良く考えられたシステム」というのは、正しい値を算出するだけではなく、こういった人間のミスに対処するようにできたものを言うのです。

間違えてしまった伝票を直したり、追加修正したりすることが可能なシステムが、その「良く考えられたシステム」であると言えます。

しかし、もっと便利なシステムがあります。

それは、ミスを予知し知らせる、「見える化システム」です。

人はミスをするものだという前提に立って、ミスしないように、一目で分かりやすいように現状を開示するシステムです。

例えば、締日が20日、25日、月末と3つあって、それぞれの締更新、請求書印刷、締め繰越が別々に機能として動くシステムがあるとします。

締日を入力して請求日付を指定して実行ボタンを押すといった処理を3パターンきちんとやったかどうかは、運用者が記録帳をとって管理する方法だとします。

これが一目でわかるように画面に表示されていたらどうでしょうか。

全締日と取引先件数、請求書枚数、金額、その処理を行った日付・時刻が一目で確認できるのです。

締め繰越をおこなっていない締日は強調して表示されています。

こういった画面で締処理を指示するのであれば、ミスをすることが非常に少なくなりますし、何よりも、安心してシステムの運用を行うことができるのです。

ブラックボックス化したシステムではなく、運用情報を常に開示して、「何をいつ行って、何をしていないのか」が、一目でわかるシステムを構築したいものです。

Vol.00154

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2008年07月29日 11:30に投稿されたエントリーのページです。

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