生産性を高めるコツは、どんなに小さなことでもルールを決めて迷わないようにすること。
全員が打ち合わせをしなくとも同じスタイルで作業に臨めることだと確信しています。
しかし、システム開発という仕事は、実際の現場では「生産性」のみを追い求めることが非常にし難い現場です。
特に「新しいものの考え方」や「新しい技法」を使おうと思えば、そこには「教育」「学習」にかかる時間が必ず必要になってくるわけです。
だからこそ、プログラムMakingやテストの現場では、そういったものを一切排除する必要があります。
「フレームワーク」や「CASEツール」といったものが、常に開発者やシステムの担当者の心を揺さぶるのもわかるでしょう。
さて、テーラーメード型開発の中で一番重要な場面はどこか?と聞かれると、それは、画面設計ではないかと思うことがあるのです。
もちろん、システムフローやデータベースモデリングも重要に違いありませんが、そこには、システムごとの差異、カスタマイズすべき発想は、そんなには無いように思えます。
ところが画面ときたら、その設計によってユーザビリティが大きく変わってくることは間違いないのです。
ちなみに、ユーザビリティという言葉ですが、ヤコブ・ニールセンが「ユーザビリティエンジニアリング原論」で定義した要素が5つあります。
それは、
「学習のしやすさ」
「効率性」
「記憶のしやすさ」
「主観的満足度」
「エラーへの対処」
です。
その後、ISO 13407、ISO 9241-11で「機能」と「パフォーマンス」を含めた広い概念となったようです。
画面設計のことを考えるとき、わたしは、つい台所のことを考えてしまいます。
(主婦的発想ですが・・・)
どこに鍋がしまってあって、どこに野菜や肉、調味料が保存されているか、という保存場所。
料理するときに、それらを悩まず素早く用意できて、そして動きに無駄がないように考える。
片付ける場合も同様です。
料理しながら順に片付けていくことがスムーズにできるのがポイントでしょう。
その為には、何をどのように料理するかという手順を頭に入れ込んでいること。
そして、使うツールが分類されていること。
・頻繁に使うもの
・めったに使わないもの
といった区分け、
食品でも
・冷蔵するもの
・冷凍してあるもの
・乾燥食品
・スパイス
・粉もの
・瓶もの
・鍋
・調理器具
といった置き場所は、非常に重要です。
結局、画面設計も同じではないかと思っているのです。
そのシステムに使うものが分類され整理されていること。
ツールが用意されていることも必要です。
そして、頻繁に使うもの、めったに使わないものといった分類と、機能による分類がうまくされいて使うときに迷いがないこと。
こう書いてくると、結局は、画面設計に一番必要なことは、ユーザーが何を考え、何をしたいかがわかっていることだということになります。
だからユーザビリティなんでしょう。
なるほど。
Vol.00165