「100年に1度」、「世界恐慌」などという恐ろしい言葉が飛び交っています。
正直、マスコミの報道にはうんざりします。
一部の政治家の言葉に国民が嫌悪感を持ってしまうのも、彼等が所詮、お金に苦労しない人だということも大きいのかと思います。
最近聞いたIT業界絡みの話で、「無理して大規模システムを受注してしまったのが原因で企業が倒産してしまった」
というものがありました。
あまりにもありふれた話なので「またここに書かなければいけないようなことなのか」と思ってしまいます。
この話から理解出来るように、システム開発会社には得意とする規模があるのです。
例えば、ある会社がこれまで機能数20で500万円くらいのシステム開発を行ってきたとしましょう。
(あくまでも仮定なので、この金額から当社の見積もりを想定するのはやめてくださいね。)
この会社が機能数100のシステムを2000万円で請けるとします。
この値段を、お客様や開発会社の中で「2500万円のシステムの2割引き特価」だと考える人がいるかもしれません。
しかしこの開発はおそらく失敗します。
他でも書いてきましたが、20本のシステムの5倍が100本では無いのです。
そして、もっと大事なことがあります。
2000万円以上のシステムを納めた経験が、その会社に何回あるか?ということです。
最大1000万円で機能数40以下のシステムくらいしか経験が無いとすれば、100機能の仕事をまともに納品出来るかどうか疑わしいものです。
つまり、
(1) 工数は機能数に比例するよりも、ずっと増える
(2) 慣れていない規模の開発は難しい
という2つの高いリスクがあります。
どう考えても成功する確率は低くなってしまうのです。
一方、100の機能の仕事をやったことがあるシステム会社であれば、10機能の仕事は確実に出来ます。
ただし、一般的に少し高額な見積もりになってしまうのです。
それは、大規模システムで必要となる「万が一」のリスクへの対処がどうしても入ってしまうからなのです。
システム会社を探す場合は、そのシステム開発の規模に合った会社、経験あるプロジェクトマネージャーを選びましょう。
決して金額で選ばないように。
そしてシステム開発会社は、このような不景気な時代だからといって、背伸びをして大きな仕事を安く取ったりしないようにしたいものです。
自分の得意な規模の仕事であれば、特別値引きをしても大丈夫ですがね。
Vol.00171