もし、あなたがITシステムで訴訟を起こされたら裁判に勝つ自信がありますか?
「きちんと仕事をしていれば訴訟にまでなるはずがない」「だからIT訴訟に関して興味がない」
なるほど、おっしゃる通りかもしれません。
ただ、あなたが経営者であったり、部門長のような立場ならば、今回の情報をスルーするのは大変なリスクではないでしょうか。
最近の景況感やご時世では、訴訟の数は確実に増えています。
いくら「格好悪いから裁判をしたくない」といっても、相手が訴訟を起こしたら受けて立たなければいけません。
たとえ、どんなに自分は正しいと思っていてもです。
なぜなら、起こされた訴訟に対して何もしなければ「100% 裁判に負ける」からです。
知っておくべきことを知らないといざというときに大変なことになります。
そこで、今回のシリーズはとても過激なテーマですが、「都合の悪いことは考えたくない」という気持ちを抑えて、ITシステム訴訟について考えます。
とは言っても、私は法律について「素人」です。
弁護士が後ろについているわけでも、監修しているわけでもありません。
このテーマをお読みになる上では、その点をご留意願います。
まず、ITシステムで訴訟に発展する内容として考えられるものは、
1)システム要件を満たさなかったから契約を解除したい。ユーザーがお金を支払う気が無い。
2)追加要件でオーバーした費用を払わない。追加要件なのか、元々の仕様なのか、バグなのかが問題となる。
3)システム障害で生じた被害額を保障してほしい。
4)著作権など知的財産権を侵害している。自社(ユーザー)に著作権が所属していると考えるシステムをベンダが他社に収めた。
ざっと書き出すとこのような内容が挙げられますが、まだまだありそうです・・・。
しかし、いずれの項目についても、基本的には「契約書」がとても重要です。
契約書に、その事項についてどう書かれているかが問題になったときの1つの指針になります。
例えば、3)のシステム障害、セキュリティ事件などの弁償となると多額の賠償を請求されることもあり得ます。
そのため、契約書には保障金額の限度額を明記しておくことが必要です。
しかし、このメルマガの趣旨は決して、システム開発を請け負う側(ベンダ側)がうまい契約書を作成し、問題をすり抜けるということではありません。
なぜなら、下記リンク先に記載されているようにITシステムにおける「裁判」は、勝っても負けてもどちらにも勝者はいないのです。(勝つのは弁護士だけ・・・)
・IT訴訟に「勝者」などいない
http://www.ciojp.com/contents/?id=00001038;t=12
この事例は、圧倒的にベンダが悪い例ですが、ユーザーが勝っても、本来の勝者に与えられるべきものを何ひとつ得ることにはなりません。
「ITシステム訴訟を起こされたら」を考える手はじめはどんな事態がITシステム訴訟になっているのか?を知ることです。
このテーマ、次回に続きます。
Vol.00182