さてこのところずっと、画面設計周りの話をしてまいりました。
さすがにネタが尽きてまいりましたので、これまでに出会った「ダメな画面設計」について話してみたいと思います。
実際、ダメな画面設計というのにも理由はいろいろあるのです。
一番悲しいなと思ったのは、「明らかに経験が少ないプログラマが考えもなく作ってしまったもの」でした。
それは、伝票入力の画面でした。
前回、画面の解像度のことをお話ししたと思うのですが、当時(10年くらい前でしょうか)解像度は1024×768で設計されていたとしましょう。
商品コードを入力するとシステムが商品名と単価を自動表示し、数量を入力すると、計算結果を自動表示するといったようなものでした。
数量を入力して、金額欄にカーソルが移る際に画面が左にスクロールするのです。
つまり、画面に横スクロールがあるということです。
画面の横のサイズがモニターの解像度を超えているために起こる動きです。
毎行の商品を入力するたびに、画面が右から左、左から右へとスクロールして動くのです。
気持ち悪い限りです。
その画面設計が、一番ダメだという理由は実はもっと深いのです。
今、これを読んだ印象では、項目が長かったり、項目数が多くて横に入りきらなかったのだろうと誰しもが思うはずなのです。
ところが、画面を見るとやたらに項目と項目の間が空いているのです。
つまり、項目の間隔を詰めればスクロールは必要ない。
何を言いたいかというと「ひどい」「笑える」ということではないのです。
「横スクロールしてはいけない」というルールがあった、無かっただけでなく、その画面を開発会社の先輩や上司が実際に見ていないのではないか、ということがひとつです。
よほど慣れた人でも画面設計は何度でも見直し、他人に指摘を受けてより良いものにするといったことが必要です。
次に、本人が作ったものを動かしたときに、なぜそれを不思議に思わなかったのか?
なぜ「まあこんなものだろう」といったことになってしまったのか?
その浅はかな考えが一番気になるところだったのです。
「ちょっと変」を放っておくと、他人にとっては「あり得ない」「とっても変」という事態に繋がるということなんです。
これって、何にでも応用できる考えですよね。
Vol.00168