今週のアイロベックス

不安とは不安定な恐怖から生まれる

暑かった夏も過ぎ、
気軽であったクールビズも終わりました。
急激に気温が下がり、しかもインフルエンザが流行っているとのこと。
皆さま、体調には重々お気をつけ下さい。
私は先日鼻風邪をひきました…ジュビジュビ。

さて、昨年も書いたことがありますが、私は怪談が大好きです。
今年は怪奇スポットと呼ばれるような場所へは行けませんでしたが、
興味深い漫画を見つけました。

【不安の種】という本です。
何やら人気があるようで、随分と目立つところに置いてありました。

最初はそんな名前をした種の話かと思いきや、そうではありませんでした。

この本は、厚さのわりに結構な量の話が載っており、
短いものでは一話が3ページ程度で完結しています。
割としっかりとした線を引く漫画家さんの作品なので、
画風が恐怖心というより、生理的な嫌悪感を誘うようなものだったこともあり、
そういった意味での怪談物だと最初は捉えていました。

しかし、タイトルというものは内容を端的に表すものなので、
暫く違和感を感じていましたが、1冊読み終わってようやく気付くことができました。

この本の内容は、稀にでもなく訪れうる場所や、自宅等の身近な場所が舞台になっています。
そして、おおよそ誰もが一度は考えた事がある想像的な世界で構築されています。

つまり、どんな人でも話の内容と『同じ時間・同じ場所・同じ状況』に遭遇できるわけです。
これは怪談としては重要な要素で、人の関心を誘うような非現実的な作品を除き、
怪談として人気がある作品の大抵には『身近な場所・物・人』が含まれているものが殆どです。

というわけでタイトルの意味は、これを【見る】ことにより、
【不安の種】が心に植え付けられ、ふとした瞬間に不安という【芽】が出るというわけですね。
そしていつかは花開…かなくとも良いですが…。

これは推測ですが、恐怖ではなく不安という言葉を使っているのは、
物語中で怪我や死、失踪等の肉体的な損失が、あまり直接的には描かれていないので、
怪談に付き物の要素を排除した分【不安】止まりなのではないかと思われます。
不安という言葉自体が曖昧な意味を持つので、そういった意味でも恐怖を煽っているのかも…

怪談に慣れている人は何とも無いと思います。話自体のパンチは弱いものが多いので…。
漫画という媒体は、絵として表されている為、読者の想像力を妨害してしまいます。
頭の中でモヤモヤと形作られることが無く、固定的な恐怖のみが残るので、
どちらかというと怪談に慣れていない人向けの登竜門的な作品だと思います。

怪談などせずとも肌寒いこの時期に不釣合いではありますが、
興味のある方は一度読んでみて下さい。

※私は、この記事を読み、本を購入し読んだことによって発生した
 『トイレに行けない!』『寝れない!』等のあらゆる問題に対して責任を負わないものとします。

編集後記

確かに心霊写真の特番を見たり、心霊スポットに行った後は暗いところやトイレに行くのが少し不安になったり怖くなったりしますね。 私も怪談が好きなので読んでみたいと思います。

次号10月29日の担当は岡部です。お楽しみに!

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