今週のアイロベックス

カタカナ語の氾濫

今回、お話したいのは日本語の中でのカタカナ語の氾濫についてです。

最近の日本ではカタカナ語の使用が多く、、
カタカナ語の氾濫と言っても過言ではないように思います。

例えば、喫茶店や飲食店のウェ-トレスは
熱い、お茶、御飯など立派な日本語を使わずに、
ホット、ティ-、ライスなどのカタカナ語を口にするのが大好きです。

そして、新聞に出るカタカナ語も多いです。
驚いたことに新聞の記事においてもカタカナ語を多く使用し、
またTV番組でもよくカタカナ語で字幕を出しています。

日本は世界第二位の経済大国として、今や激しい国際化の波に洗われています。
世界の最先端の技術やファッションなどが身の回りに溢れていて、
充分過ぎるほどの国際化が進んでいます。

しかしその国際化の実態は、
極端に言ってしまえばアメリカ化であると言った方が妥当なように思います。
特に若者たちは「アメリカ風」を真似て、カタカナ語を頻繁に使っています。
テレビも新聞も学習雑誌でさえも、多くのカタカナ語を使います。

確かにカタカナ語は便利です。

外国からそれまで日本になかったものが入ってくると、
その物の呼び名をつけなくてはなりません。
かつて明治維新のころの日本では、
外国での呼び名を一生懸命日本語に直し、日本独自の呼び名を作りました。
電話や汽車など、全てその類の呼び名です。
いまの中国でテレビのことを電視と言っているのも、それと同じです。

しかし、次々と新しい品物や文化が入ってくると、
日本語を新しく考えるのが追いつかなくなってしまいます。

そこで、はじめのうちは万葉仮名のようにアメリカを亜米利加とするなど、
外国の発音に似た漢字の音を借りて表していたが、それでも間に合いません。
そこに現われたのがカタカナ語です。

幸い日本には、漢字の音を漢字の一部分だけ書いて表す、
カタカナという便利な文字がありました。

海外から入ってきた文化を表す言葉を海外の言葉に近い発音で、
日本人も発音できるようにカタカナで表すことがこうして始まったのです。

また、日本人には外国の文化が優れていると考えるメンタリティ-があるように思います。

今日のカタカナ語を「新しい感じだ」とか「カッコいい」と
考える心理構造は日本人の伝統的心理構造なのです。

外国語の意味を和語や漢語に翻訳するのではなくて、外国語を音として捕え、
そのままカタカナ語に移すことによって満足を得られているのです。

そして新しさが追求されていることで、カタカナ語と漢語、和語との交替が始まっています。
例えば、市場→マ-ケット、余暇→レジャ-などのようなものです。

学校教育では外国語が一般に取り入れられるようになり、
外国語がちんぷんかんぷんだという人は少なくなってきました。

道で会った外国人とぺらぺら会話ができる人は少なくても、
耳にする外国語の意味はいくらか分かる人が多くなったのです。

その結果、日本語で言っても分かる言葉を、
わざわざ外国語風に言って新しがる人も増えてきました。

珍しい文化はいつでも海の外から入ってきていた日本では、
外国語が分かるということは、知識人の証明だといった考え方が
人々の間に根づいているからです。

しかし言語の役割として一番大事なのは交流としての機能だと思います。
それなのに、現代では日本語の一部分としてのカタカナ語を使い過ぎて、
交流としての機能がだんだん失われつつあるように思います。

注意して雑誌などを見ていると、意味が把握できないカタカナ語が
たくさん使われていることがよく目に付きます。

特に年齢層の高い人たちが理解できないカタカナ語は多いです。

カタカナ語の使用によって様々な分野で多大の便宜が与えられ、
日本語は豊富になっています。

だが反面、カタカナ語の使い過ぎは人々の交流の邪魔をします。

「あの人は一体何を言ったのか」という問題はすでにコミュニケ-ションの問題だけではなく、
一つの社会問題のようになっています。


ご存知のように漢字は簡潔でいて、わかりやすいというメリットがあります。
しかしカタカナ語を乱用する事によって、カタカナ語と対応している漢字は死語になってしまいます。

仮名と漢字を使うという特徴は日本人及び日本文化の特徴であり、原点でもあります。

自分の国の古典的な言葉や素敵な言葉は続けて使用し、
その一面カタカナ語は補助的に使ったらいいのではないかと思います。

外国人にとって、日本語の中でも特にカタカナ語が難しいと思います。
そして、私のように長年日本に住む外国人が一番苦労するのも、やはりカタカナ語です。

毎日のように外国語から単語を取り入れては新しいカタカナ語を作っていくので、
外国人として、それらの言葉を理解するのがかなり難しくなってしまうからです。

以上が日本のカタカナ語についての私の考え方です。


編集後記

確かに、よくわからないカタカナ語をよく目にしますし、
最近では「KY」などのアルファべットを使った言葉も出てきています。
もっと日本本来の言葉を使うようにしていこうと思います!

次号11月25日の担当は赤羽です。お楽しみに!

最新の記事

バックナンバー

株式会社アイロベックス
TEL : 03-6892-2526
システム開発や、その他アイロベックスへのお問い合わせこちらから
ページのトップ