今週のアイロベックス

大好きなお店

下北沢に、私が大好きな割烹がありました。

このお店は、とにかく魚が美味しい。

築地からお魚を仕入れていたり、
時には、ご主人自ら漁に出て魚を捕ってきたりもしていました。

お店の中には生簀ががあって、注文が入ってから捌いており、
鮮度も抜群で美味しかったです。

それだけでなく、お魚料理以外にもとても美味しい料理を出してくれました。
長くなるのですべては書けないのですが、とにかくお出汁が美味しかったです。

そのお店は、ご夫婦2人で切り盛りされていました。

主人は、まさに"がんこ板前"、といった感じの方でした。

栃木なまりで、奥さまだろうが、お客さんだろうが、叱りまくる。
たとえば、「今の時期そんな魚とれるわけないでしょ!」や、
「ちゃんと、刺身のつままで食べないとダメじゃない。」や、
「まずは、これから食べなさい。」などと、色々指示が多いのですが、
栃木なまりのせいか、とても愛嬌がありました。

奥さまは明るくて世話焼きで、サザエさんのような感じの方でした。

ですがその反面コンロの近くにライターを置いて爆発させてしまうなど、
漫画のようなことをしてしまうそそっかしく気になる存在でもありました。

とても良いお店だったのですが、ご夫婦ともに病気を患い2年半前に店じまいしてしまいました。

病気をした後も、お客さんや近くの魚屋さんが、
勝手に店を開いたりして何とか維持しようとしていたのですが、
そのような事も続かずに、完全に閉店することになってしまいました。

私以上にお店の閉店を残念に思っていた人が多くいたらしく、
先日、そんな方々によって、1日限定の復活パーティーが催され
常連客の方ばかりが50名ほど集まりました。

2年半の時間の経過とともに、ご夫婦ともにお元気になられ、
また、パワフルな状態に戻っていました。

ご夫婦の元気を喜び、ご主人の作る美味しい料理に舌鼓を打ち、
"がんこ板前"の小言を聞きながら、楽しい時間をすごしました。

集まった方と、色々お話しましたが、ほとんどの方が、2年半たった今でも、
この店以上のお店は、見つかっていないと言っていました。

私も全く同じで、2年半の中で、唯一無二なこのお店の貴重さを実感していました。

復活パーティーから帰ってから、こんなことを思いました。  

自らの信念に基づいて、仕事をすること。
そして、その仕事がお客さまから、求められていること。
これが大切なんだなということです。

言葉を少し置き換えてみると、  
自らの信念に基づいて、「生きる」こと。 
そして、その「生き方」が「周りの人」から、求められていることが大切ということになります。

大切なことを、体現して見せてくれたお店の人たちに、心から感謝しました。

編集後記

2年半経っても、常連客の方に「これ以上のお店が見つかってない」と
言ってもらえるお店はなかなかないと思います。
良いお店だということが伝わってきて、とても行ってみたくなりました。
もう閉めてしまったというのが、とても残念です。

次号3月30日の担当は牧野です。お楽しみに!

最新の記事

バックナンバー

株式会社アイロベックス
TEL : 03-6892-2526
システム開発や、その他アイロベックスへのお問い合わせこちらから
ページのトップ