今週のアイロベックス

こだわる人の塗装面

先日、私の暮らしているアパートで、外壁の塗装工事がありました。
足場を組んで、養生(*)をして、天候に左右されながら工事は進みました。

私は大学のときに塗装の実習や授業を受けた経験があったので、
そのときのことを思い出しながら見ていました。
とはいっても、私がやっていたのは建物のような大きなものではなく、
木製家具がほとんどです。
空気で塗料を噴射する“スプレーガン”を用いた
塗装を多くやっていました。

工程は塗装する対象や方法によって異なりますが、
(下地をきれいにするために)まず研磨をして、
塗装したらまた研磨して、その上からさらに塗装するという
「研磨」と「塗装」の繰り返しが基本だと思います。
漆塗りの場合はこの工程が何度も何度も繰り返されるので
大変手間がかかっています。(だから、金額が高い・・・)

塗装の作業の中では、この「研磨」がとても重要です。
なぜなら、いくらうまく塗る技術があっても、
スプレーガンさばきがすごくても、
下地が悪い状態では、良い塗装面にはならないからです。
「研磨」は、本当に地味でつらい作業ですが、
ここをしっかりしておかないとすべてがダメになる、
それほど重要な工程です。

だから
「もうこんなもんでいいかな・・・。
いや、あともうちょっと研磨しておこうかな・・・。」
なんて葛藤をしたりするのです。
結局は、こだわる人の方が出来栄えが良いのです。

「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」ではないですが、
人生もまずは苦しんで、下地をきれいにしなければいけないのかもしれません。


少しスケールが大きくなってしまいましたので話を変えましょう。

塗装は意外に身近な存在です。

みなさんの身の周りには塗装されていないものはない
と言っていいほど色々なものに塗装が施されています。

キーボード、ディスプレイ、机、携帯電話、ジュースの缶
車、電車、飛行機、家・・・。

例えば、どれかの塗装面を蛍光灯に当てて見てみると、どうでしょう?
表面がモヤモヤしていたり、隅の方だけ盛り上がっていませんか?
それは、おそらく塗料の塗り過ぎです。

物を買う時に塗装面が気になり始めたら、
あなたはもうこだわり派です。


*養生・・・塗装面以外の面に塗料がかからないようにテープなどで覆うこと

編集後記

漆の器が高いことは知っていましたが、塗装の際の手間のための価格だということは始めて知りました。

塗装という言葉は生活の中ではあまり使いませんが、

私たちは塗装されている製品に囲まれて暮らしているんですね。

人間も同じでどこかで苦労(研磨)をしなければならないというのはその通りだと思います。


次号6月1日の担当は鈴木(則)です。お楽しみに!

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