今週のアイロベックス

システム設計者の意図とユーザビリティ

先日、帰省する際に新幹線に乗ったのですが、
席を確保することができず、
車両と車両の間、トイレの前に立っていました。

たまたま新しい新幹線だったので、トイレも新しいデザインで、
開閉それぞれの丸いボタンを押すと、自動でドアが開閉するようになっていました。

スペースも広くていかにも最新式で
「バリアフリーを念頭に設計しました!」
「デザインもカッコ良くしました!」
という設計者の意図が伝わってくるようで、
最近の新幹線もおしゃれで使いやすくなっているなあ、と思っていました。

ところが、何人も乗客がトイレを利用しにやってくるのですが、
40代以上に見える方々は、皆さんドアを開けることができていませんでした。

なぜかというと、そのドアの開閉用の丸いボタンの上には、
同じようなサイズ、同じような形のディスプレイがついており、
「使用できます」のように、現在の状態が表示されるようになっていました。
ドアを開けることができなかった方は、
ほぼ全員そのディスプレイを何回も押して首を傾げていました。

せっかく前に立っているので、
「ボタンはその下ですよ」「今、使用中ですよ」と案内していたのですが、
普段なら、そんなところに立っている人も居ないはずなので、
どうしているのだろう、と思ってしまいました。

では、40代以下方々が使えているかというと、
しばらくドアを眺めてボタンを見つけ、ドアを開けて使用することはできるのですが、
用が済んだ後、ドアを閉めるボタンを押さずに去っていく確率が非常に高かったです。

若い世代は、自動ドアに慣れているので、
勝手に閉まってくれるという意識があるのでしょう。

最初に見たときは、使いやすそうだと思ったトイレでしたが、
実際は、意外と使いづらいトイレだったことがわかりました。

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それを見ながら、システム開発においても、
画面などを設計する際には、ユーザーがどんな年代か、
どの程度システムやパソコンに慣れているのか、
そういったことも念頭において、設計しなければならないと実感しました。

特にシステム開発に携わっていると、
設計者はパソコンの操作に慣れているため、
少々複雑な画面でも使いこなせるように思ってしまいがちです。

上記のトイレのように、設計者の意図が伝わってはいるとしても、
実際に使用しづらいのであれば、それはあまり意味がありません。

難しいことかもしれませんが、
独善的な設計にならず、実際にシステムを使用する方々が、
使いやすく、戸惑うことのないような設計をすることができるようになりたいですね。

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