今週のアイロベックス

寄席へ行ってみよう!

皆さん こんにちは。管理部の大川です。
今回は、以前から興味があった落語について一席お話ししたいと思います。

興味はあっても予備知識がないと楽しめないだろうという勝手な思い込みのせいで、近くにあった寄席にも実は足を運んでいませんでした。しかし会社が新宿を離れることになり今行かなければと焦った挙句、ようやく新宿末廣亭に行ったという体たらくです。
そんな私ですが、初めて入った寄席は想像以上に楽しく有意義なものでした。二時間もいれば気分はお腹いっぱいで、その後軽~くお酒でも...なんて暢気に考えていたら夜の部(四時間)全て見てしまいました。こんなに簡単かつ自由に楽しめるのなら、もっと早く来るべきだったと今更ながら悔やんでおります。

昼の部、夜の部とありますが基本的に入れ替えはなく好きな時に出入りができます。
飲食も自由です。ただし最低限のマナーは踏まえておきたいところです。
(アルコール、音のする食べ物は控える、口座の切れ場に出入りする、携帯はマナーモードなどごく常識的なことですが)

風情ある建物に演者とお客さんの掛合い。初めてなのに懐かしい、とにかく空気感がたまりません。
落語の合間は色物と呼ばれる漫才や手品、紙切り、曲芸など日本の大衆芸能を生で体験できる貴重な場でもありますが、これがなかなかどうして素晴らしいのです。
何がどう素晴らしいかは是非見ていただきたいのですが、自分も一度行ってしまうともっと知りたくなるのが性分で、はまりつつあるのを実感しています。しかしその裾野は広く奥の深いものと感じます。
*趣のある末廣亭の中
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そんな落語初心者の私が皆さんにご紹介したい番組がこちら。
「超入門!落語 THE MOVIE」
"口パク"落語番組です。噺家が高座で落語をし、そのセリフに合わせて役者が口パクしつつ演技をしていくというものです。映像があるだけに初心者でも落語の内容が理解しやすいと思います。

古典落語のほとんどが江戸時代に作られただけに、再現される映像も時代劇風なのですが出演する役者のキャスティングも、アテブリの完成度も絶妙です!
画面では落語家がひとりで声色を変えて何役も演じますが、それに合わせて役者が次々と入れ替わりながら流暢な江戸弁を駆使する様は(口パクですが)、ちょっと不思議な感覚です。
残念ながら第三弾が先日終了したばかりでしたが、早くも好評につき3月からEテレにて解説付きで再放送予定のようです。
http://www4.nhk.or.jp/rakumov/

くすぶっていた寄席願望を再燃させたのは、立川談春のエッセイ「赤めだか」を読んだからかもしれません。
7代目立川談志に入門してから真打昇進に至るまでの葛藤が書かれているわけですが、語り口のリズムに乗ってサクサクと読めます。しかし評判が高かっただけにもっと何かあるはずと読み進むと、さすが言葉を生業にしている方、しかも噺家さんだけにサゲが見事でした。
自身のことを書いているようで、ここに書かれているのは慕ってやまぬ師匠談志の揺らぐ情であり複雑な師弟愛、終盤数ページは胸に迫るものがあり不覚にも落涙...。
興味のある方は是非ご一読をお薦めします。

さて活字は面倒という方にはマンガで「昭和元禄落語心中」はいかがでしょうか?
こちらで無料の立ち読みができます。
http://www.ebookjapan.jp/ebj/23655/?dealerid=103&gclid=Cj0KEQiAuJXFBRDirIGnpZLE-N4BEiQAqV0KGjW31RX1gvFr7dkkUfvoRajVvuPZN6kn9bk-cKi1MPkaAuLa8P8HAQ
すでに完結していますが、文化庁メディア芸術祭等で優秀賞を頂いている評判の高かった一作です。
アニメも1月より二期が絶賛放映中。Opテーマは一期から引き続き、林原めぐみ×椎名林檎で、
レトロな楽曲(PVは新宿ゴールデン街ですね)もとっても素敵です。

落語には失敗した人がたくさん出てきます。そして登場人物の大半が一般的な町人です。
噺の中で失敗を笑いに変える庶民のたくましさや大らかさが好きです。
先の立川談志師匠の言葉にも「落語とは人間の業を肯定することだ。」というのがありますが、落語を聞いていると業が強くてダメ人間な自分もちょっとだけ許してもらえる気がして癒されるのです。

「笑い」がストレスを解消し、免疫力を高め病気を遠ざけることも様々な研究で明らかになりつつあります。
高座の噺家さんからはTVでは味わえない力強い生身の人間の個性やエネルギーも貰えます。
みなさんも予備知識など持たずともまずは寄席を体感してみて、観客の一人として無心に笑顔になっていただけたらいいなと思うひと時でした。

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