今週のアイロベックス

水族館劇場観劇記

みなさん、こんにちは。管理部大川です。
少し前になりますが去る4月15日、今は若干懐かしくもある新宿花園神社にて水族館劇場という劇団の野外劇を観てきました。

当日は遅咲きの桜がまだ残る馴染の境内に、劇団員自らが組み立てたという大きな芝居小屋が建てられていました。

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一般的な知名度は余りありませんが、彼らはその名の通り数トンの水を使う舞台が代名詞の役者徒党で、自ら傾奇者と名乗るその存在は放浪芸的であり、強烈なアングラ臭で眩暈がしそうです。
根拠のない明るさに晒された不安な私たちの日常に、いつか夢で見た暗闇のような既視感を醸します。
その日も屋外テント内で噂に違わぬ瀑布が見られました!(ちなみに堀の中には鯉も泳いでいました)大道具装置は4トントラック4台、3トンダンプ2台、大型ワゴン、乗用車による大移動とのこと。
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当日の劇場窓口には印象的な見世物小屋の看板(イラストは河童!水の妖怪だから?)が置かれており益々期待は高まります。わくわくしながら待っていると物語のオープニングは野外から始まり、パイプで組まれた高い櫓の上(リアルに綱渡りもしていました)、劇場の二階窓、あるいは観客の中など方々から演者が現れては去っていきます。彼らに導かれ、私たち観客もいざテントの中へ。
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非日常への境界線をくぐり辿りつけば、この日は満員御礼の運びにつき隣の人ともこぶし一つ詰めあっての観劇となりました。すこしばかり難解な舞台のテーマは人間の来し方行く末を問うものだったように思います。
どんなジャンルに於いても永遠のテーマのひとつといったところでしょうか。

素人が演技のあれこれを語るのは極めて無神経でありましょうからそこは割愛させていただきます。ただここでは物語を追うというよりも時代の空気感や雰囲気を味わいたい気持ち。たとえひと時でも、未知なる新しいものに出会えるこの異空間感覚がとても好きです。

私の心を震わせるのは、演劇に限らずライブで遭遇する人間の持つエネルギーです。
それは芝居だけでなく愛するなにかに巡り合ってしまった人の生きざまを感じさせ、それぞれが辿ってきたであろう歳月に、勝手な妄想を抱いてしまうからです。
水族館劇場も1987年創設と聞きます。最初は三人だったというその経歴からも、各々が生きる立ち位置に対する覚悟のようなものを感じるのです。
なにも持たない自分のような者には羨ましいような、そこに身を投じるのが恐ろしいような気さえします。
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だからこその感動なのかもしれません。
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