.NETの本質に触れたいのならば必読です。
いわゆるC#やVB.NETなどの、言語の解説書ではありません。
それらのコードを動作させる、CLR(共通言語ランタイム)の仕組みについての解説書です。
.NETはCOMの後継であるとの観点から、いったい.NETはどうやって動くのかが解説されています。
また、モジュールの動作単位や、コードのセキュリティに関しても詳述されています。
単純に言語を習得し、一般的なアプリを作成するだけであれば、
この本に書かれている内容が必要にはならないかもしれません。
しかし、一歩突っ込んだ内容を行う場合には、基礎知識として必要となってきます。
実際に書かれたコードが、どのように解釈され、実行されるかを、
イメージできなければ、コードの品質についても、真に正しい判断はできません。
普段意識しないCLRの動作を意識することにより、
コードの読み方・書き方に、影響を受けずにはいられないことでしょう。
CLRの動作上の中間言語はこうなる、よって、C#では、こう書くことになるという、
逆の視点により参照できるので、言語についての理解を、より深めることができます。
読みやすい本ではなく、理解するためには、ある程度の背景知識が必要となりますが、
.NET Frameworkのバージョンが進んだ現在においても、
古びていない、数少ない書籍だと思います。