実務でしばらくJava開発を担当したプログラマーならば、一度は読んでおいてほしい本です。入門書を読み、実務も少し経験した後で、いまいちわからない・理解しきれずにいた部分が、思いがけず理解できてしまう。そのような、きっかけになる本だと思います。
「Javaは果たして洗練された言語なのか?」「オブジェクト指向は万能の妙薬なのか?」などの、
問いかけに対するさまざまな洞察や、理解を妨げる謎な仕様、落とし穴に鋭く切り込んだ解説がされています。
この本は、いわゆるJava入門書とは180度違う観点から、Javaという言語に対して洞察しています。
例えば、普通の入門書ではJavaがポインタを隠蔽していることは書かれていません。
むしろ、気が狂ったかのようにポインタについて触れようともしません。
しかしこの本の場合、「Javaはポインタの言語だ―Javaにはポインタ"しか"ない」として議論を進めています。
また、この本の特徴として面白いのは、Javaの本であるにも関わらず、Javaという言語を完膚なきまで否定していることです。
否定することにより、Javaの弱点を把握し、間違ったアプローチをしないようにという意図があってのことですが。
初心者向けとしてはあまりオススメできませんが、Javaについて別の角度から見てみることで、色々な事に気づかせてくれる、またそのきっかけを与えてくれる本です。