jQuery入門―魔法のJavaScriptリファレンス&サンプル

2010年2月 3日  Webサイト構築, プログラミング  市川

迂闊にも不勉強でした。
自分がなまじコードが書けるしXMLについてもそれなりに見識があったもので、JavaScriptについても今までは DOMを使い倒してガリガリ書けば良いものだとしか思っていませんでした。

しかし、Webアプリケーションに JavaScriptを入れる際、似たような しかし少しずつ違う過去の commonをどこまで使うのか整理しないまま"とりあえず"includeしてみたりしてました。
そして毎度毎度クロスブラウザ対応に頭を悩ませていました。
でも、もう時代はそういうものを求めていないのです。

昨今、Webアプリケーションの広まるに従い、JavaScriptにもいくつも、整備された汎用ライブラリや Ajaxのフレームワークが出てきています。
本書はその中でも最も有望な jQueryについて詳細に解説された説明されたリファレンス本です。

jQueryは時代の流れから Ajaxや animationエフェクトの機能が取り立ててもてはやされていますが、Webアプリケーション作成の観点からすると この jQueryの真の威力は Arrayを Arrayのまま扱えるところで発揮されます。
例えば、
  $("tr:nth-child(5n)").css("background-color","silver");
と 1行書くだけで、テーブル内全てのセルを 5行毎に色を変えることができます。
  $(":input").attr("disabled","disabled");
と 1行書くだけで、input, select, textarea 等などひっくるめて全ての入力項目を disable に変えることができます。目からウロコです。ループも変数も不要!なのです。

これらをうまく取り込むと、従来 Webアプリケーションを作る際、少なからずサーバー側でも考えておかなくてはいけなかったクライアント側での表示ロジックやクライアントサイドのUIについてのわずらわしさから相当開放されます。そこに Webアプリケーションの未来が見える気がするくらいです。

自分は普段は大概の書籍には一通り目を通す読み方しかしませんが、本書は久しぶりにじっくり時間をかけて読んでみました。
この書籍は『入門』と称しながらも、かなり詳細なリファレンスとして使われることを意図して書かれています。
特に要素を Arrayで扱うために重要な"セレクタ"の機能にかなりのページが使われています。
全ての解説に必ず短い(しかしそれだけでちゃんと動く)サンプルコードが付いているのがかなり参考になります。

慣れるまでの目次と索引にもう一工夫欲しいところですが、逆にどこに何が書いてあるか覚えるくらい読む価値のある書籍です。


著者:高橋 登史朗
出版社:秀和システム
価格:3,129円

目次:
 Chapter0 jQueryの入手と設置方法
  ダウンロード先
  設置方法
 Chapter1 jQueryの魔法
  一般的なJavaScriptと jQueryのコード比較
  手軽すぎる高度なエフェクト
 Chapter2 魔法の使い方(1)
  基本的な練習
  jQueryの名前空間と$ショートカット
  CSSライクなDOM操作
 Chapter3 魔法の使い方(2)
 Chapter4 APIリファレンス&サンプル
  Core
  Selectors
  Attributes
  Traversing
  Manipulation
  CSS
  Events
  イベント Events/jQuery.Event
  Effects
  Ajax
  Utilities

初版、改版情報
 発売日: 2009/12/5

誰にオススメか?
 見栄えの良い Webアプリケーションの開発工数を減らしたい人
 Webのデザインが専門だがアプリ開発も始めてみたい人
キャリア対象
 テキストで HTMLが書けるPGあるいはPG志向のデザイナ
 1年以上

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秀和システム
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おすすめ度の平均: 5.0
5 素晴らしい「リファレンス」
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