いちばんやさしいオブジェクト指向の本

2010年9月17日  プログラミング  浅沼

まず目についたのは"いちばんやさしい"という言葉でした。
「本当に"いちばんやさしい"のか?」と思いこの本を手にとりました。

実物を見れば分かりますが、200ページ程と薄く、葉書と同じくらいの大きさでコンパクトです。
「こんな小さい本にオブジェクト指向について書いてあるのか!」と驚きました。
これだけコンパクトなら、電車内でも休憩の合間でも楽に読めます。

少々専門的な内容が含まれるので、
本当に初めて学ぶ人は、全体を通して読むと分かりづらいかもしれません。
しかし、身の回りの出来事を例に挙げながら、オブジェクトやクラスについて
説明しているので、考え方の導入として読むには良いと思います。

第1章 それはシリコンバレーから始まった ―オブジェクト指向の歴史
きっかけはアラン・ケイ
コンピューティング環境Smalltalk
シミュレーションのためのSimula
Smalltalk後のオブジェクト指向~C++
Javaの衝撃
UMLの登場
21世紀:オブジェクト指向の一般化
理解するのが難しい理由

第2章 ケーキとDVDソフト ―オブジェクト指向の概念を理解する
あるSEの日常
オブジェクト
メッセージ
オブジェクト指向
オブジェクト指向の使い道
メッセージとオブジェクトの振る舞い
属性
状態
属性と状態
オブジェクトと仕事
責務
クラス
クラスの定義
クラスがあると何が嬉しいのか
オブジェクト指向とクラス指向
クラスどうしの分類
オブジェクト指向の本質は二つだけ

第3章 プログラミング言語進化論 ―オブジェクト指向プログラミングへの道
プログラミング進化の歴史
抽象化へ至る道
手続き抽象
構造化プログラミング
データ抽象
大規模化の壁
機能分割の課題
課題1:大規模分割を最初に行うことの難しさ
課題2:仕様変更の影響範囲の広さ
課題3:類似性の散在
データに関する課題
課題4:データの定義と利用箇所の乖離
課題5:名前の衝突
課題6:アクセス違反
モジュール化
課題1の解決
課題2の解決
課題3の解決
課題4の解決
課題5の解決
課題6の解決
モジュール化を取り入れたプログラミング言語
モジュール化の課題
オブジェクト指向
モジュールを型にする
継承

第4章 抽象化と分割の歴史がもたらしたもの ―オブジェクト指向プログラミングの特徴
オブジェクト指向で作ったシステムの構造
オブジェクトの定義と生成
カプセル化とアクセス制御
オブジェクト指向システムの動作に関する特徴
オブジェクトの組み合わせ
メッセージの送信
イベントとメッセージ
継承による差分プログラミング
ポリモーフィズム(多態性)
オブジェクト指向プログラミングの七つの特徴

第5章 ショートケーキはなぜショートケーキなのか ―オブジェクト指向分析
「理解する」ということ
「内包」
特殊な概念と一般的な概念
概念の上下関係
「外延」
「属性」
人間の理解
人間の理解とオブジェクト指向の関係
オブジェクト指向分析の利点
①人間の理解の枠組みに対応した表現方法の存在
②メッセージの存在
③UMLという標準表記法の存在
オブジェクト指向分析の落とし穴
①必ずしも正解が手に入るとはかぎらない
②全てを表現できるわけではない

第6章 よくあるQ&A ―オブジェクト指向への疑問とその解答
Q1 オブジェクト指向は「重くて使えない」と聞きましたが本当ですか?
Q2 オブジェクト指向を使うと、生産性や品質が向上するのですか?
Q3 Javaを使えば、オブジェクト指向のメリットが得られるのですか?
Q4 オブジェクト指向で分析・設計すると、何が嬉しいのですか?
Q5 本当に、現実世界をそのままモデル化できるのですか?
Q6 オブジェクト指向では「シームレスな開発ができる」と聞きましたが、これはどういう意味ですか?

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4 分かりやすいですが、本当の初心者には少し難しいかも・・・
1 はっきりいってわかりにくい。
1 非常にわかりにくい
5 UMLを具体的に使ったモデリングに、たいへん役立っている
2 誰にでも理解は無理な気も。。。
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