「ディズニーが長い年月をかけて築き上げた『人を育てる』メソッド集」。本書の最初に記載されているフレーズです。このフレーズが、的を得ています。
この本を読めば、社長以外は全員アルバイトでも、理想とする会社が作れそうです。そんな風に思わせてしまう本書。実際に、ディズニーランドで実際に活用されている人材教育メソッドが豊富に紹介されています。
読んだ次の日から実際に使えるメソッドあるので、実際にマネージメントや、社員教育に苦労されている中間管理職の方にはお勧めの一冊です。
本書の帯に書かれている、「チーム全員がリーダー」
どこかの研修に参加した際に聞いた様なフレーズをよく聞きます。まさにこれが理想の組織であり、人材教育の理想のゴールです。
ディズニー関連のビジネス書は、幾冊か読んできましたが、各書で書かれていた事が、人材教育という観点から、よくまとめられていると思いました。
メソッド集に近い内容でもあるため、考えて読むというよりは、知識として読むという内容。そのため、誰もが労せずに読み終える事ができると思います。後輩を持ったら、手に取ってみることをお勧めします。
さて、弊社では、毎週月曜日の早朝は、会社の教育について考える会議を開催しています。幹部クラスが集まって、社員教育の方向性、仕方、会社としての取り組みについて、検討を重ねています。
いま会社では、「7つの習慣」の勉強会を、各部署単位で行っているのですが、上述した教育について考える会議の課題図書として、幹部クラス全員から読んで行きたいと思いました。
特に興味深いのは、次の3つです。
- 「トレーナー」と呼ばれるアルバイトが後輩の指導にあたる。しかも金銭的な対価はない。
- 「行動指針」はっきりとした優先順位がある
- 仕事の重要性を繰り返し繰り返し伝える。そして社長も行動に移している。
特に、「行動指針」は、ビジョン/ミッション以上に念仏となってしまうことが多いと、個人的には感じています。なぜなら、相反する行動指針を平然と同列として掲げてしまう会社が多く見られるためです。
ちなみに、ディズニーの行動指針は、次の4つです。
(1)安全性 [すべての大前提]
- 安全を重視した施設設計
- すべてのキャストが、安全意識をもつ
- 安全再優先のマニュアル、ルールづくり
(2)礼儀正しさ [ゲストをVIPとして迎える]
- 3つのキーワード「笑顔」「挨拶」「アイコンタクト」
- ゲストの望みに応える
- 相手の立場に立って行動する
(3)ショー [プロとして最高のショー、サービスを提供する]
- ディズニールックを守る
- キャストとしてプロ意識をもつ
(4)効率 [ムダをはぶく]
- 自分の役割をムダ・ムリなく果たす
- チームワークを大切にする
- ゲストのムダ、不満をカバーする
弊社に置き換えると、次の様な感じでしょか。
※あくまで、私個人の考えです。
(1)安全性
... システムにおいても大前提
(2)顧客満足
... 業界No.1のクオリティ(提案/プログラム/社員)でサービスを提供する
(3)改善/効率
... 常にムダを改善し続ける
(4)学び
... IT知識に限らず、学びの姿勢を取り続ける
人材教育は、(1)自分の過去の成功体験/失敗体験と、(2)自分が施された教育手法、この2つから考えがちになってしまうものです。でも、これが人材教育の失敗(というか、理想の成長曲線を描かない結果)となるパターンが多い理由でもあると、個人的には考えます。
周囲やビジネス書から、成功事例を多く学び、弊社でも人材教育ナレッジに、さらに磨きをかけていくことで、お客様への期待以上のサービス提供を実現していきます。
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