カップヌードルをぶっつぶせ!ー創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀ー

2011年4月14日  仕事一般  中津川

日清食品ホールディングスCEO安藤宏基氏が書いた一冊。安藤宏基氏は、日清食品の創業者であり、チキンラーメンの開発者である、安藤百福氏の次男。会社の二代目の方には、お勧めの一冊です。創業者にも読んでもらいたいですが、多分この気持ちは、二代目でないと分からないと思います。「二代目には創業者の偉さが分かる。創業者には二代目の苦労は分からない。二代目こそ、強靭で謙虚で大胆でなければならない。」という堺屋太一氏の帯コメントに、大共感です。


さて、このブログを書いている私は、弊社の社長のバカ息子です。

つまり、二代目となることを決めた人間なのです。


だから、とても興味深く、この本を読む事ができました。


全体の構成としては、


前半(1章、2章)は、著者である安藤宏基氏から見た、創業者 安藤百福氏についてのエピソード。

後半は(3章以降)、安藤宏基氏が社長になってから実施した、社内組織改革やマーケティングの考え方についての紹介と、著者の考えの記載がメインとなっています。

二代目となることを決めた私としては、前半部分が、おおいに勉強になりました。

特に参考になったのが、著者が示していた
創業者と付き合うための「4つの教訓」です。

著者は、これを、「4つのけんかルール」と言っています。


本文中にも、


二代目は創業者とけんかするものと相場が決まっている


とありますが、
弊社もまさに、ご多分に漏れず、よく喧嘩しております。

特に、家族となると、これは質が悪い。
お互いに、譲らない。

でも、そんな関係においても、著者は4つのルールを示してくれています。

(1)会社の無形資産の中で最大価値は「創業者精神」であると思え
創業のモチベーションとなった創業者精神は企業理念の支柱であり、永遠に風化させてはならない。

弊社も、創業者精神を大事にしていきたいと思っています。

それは、「お客様のための」システム開発。

ここだけの話、この思いを大事にし過ぎる社員が多く、「お客様のため」を思いすぎて、仕事に手間をかけ過ぎてしまい、創業者に怒られていることもシバシバです。

(2)二代目の功績は創業者の偉業の中に含まれると思え
創業者が二代目をライバル視することはあっても、その逆はありえないのである。


私も、同じ思いです。
超えるべき壁ではなく、その意思を会社という組織に転化させるべき存在だと考えています。

(3)二代目は「守成の経営」に徹すべし
創業者が作った経営の基盤をしっかりと踏み固めながら、さらに成長を続けることなのである。


そのために、二代目になるといっても過言ではありません。

(4)創業者の話に異論を挟むな。まず「ごもっとも」と言え
創業者の意思にいきなり「NO」と言ってはいけない。その瞬間に相手は、がちっと鋼鉄のよろいに身を固めてしまう。そうなると、もうすべがない。
まず、「ごもっとも」と言う。創業者の言っていることを全面是認する。「お言葉を返しますが」と言っては行けない。尊敬する人、とくに創業者にはお言葉を返してはいけないのである。おしゃることをよく聞いて、吟味すれば必ず一理ある話が多い。長年の経験からくる動物的な勘である場合もある。私の経験からいうと、その勘がけっこうよく当たる。このような動物的な勘に対しては、どんな理屈も理論も通用しないのである。


長く引用しましたが、ここは出来ていませんでした。この本を読んでの大きな気づきです。わたしも意固地で頑固なタイプなので、そこは反省して、改善していきたいと思いました。

「人のやらないことをやる」という創意工夫の精神と、それにかける恐ろしいほどの執念を持った創業者。

私も、それに負けない執念(本気さ)で、会社を盛り上げていきます。

今後とも引き続き、株式会社アイロベックスをよろしくお願いいたします。

さて最後に、著者が創業者の死後に気づいた後悔をひとつ。

おそらく96年間も生きてきた会長には、積もりに積もった思いが山ほどあったのだろう。いまになって分かる。いいか、悪いかじゃない。ただ胸のうちを聞いてほしかったのだと。

私も、この心を忘れずに、接していきたいと思いました。


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