プレゼンテーションのノウハウ・ドゥハウ

2011年5月19日  仕事一般  中津川

前回に引き続き、理論偏重ではない「使えるコンサルティング」「実効性のある研修」を柱としたコンサルティング・グループ HRインスティテュート社の著作。


プレゼンテーションとは、「相手に自分の考え方を理解していただき、その上で、納得していただいて、そして、行動していただくプロセス」と定義している。


つまり、(1)聴いてもらう、(2)理解してもらう、(3)納得してもらう、(4)行動してもらう。この一連の4つを提供することが、プレゼンテーションの真の意味だと述べています。


そして本書では、プレゼンテーションのスキルを大きく3つに分類しています。


  1. プレゼンス

  2. シナリオ・スキル

  3. デリバリー・スキル


この3つのスキルについて、読者に読んでもらい、図表を見ながら理解してもらい、読者に納得してもらい、具体的な練習方法も掲載して行動してもらえる様に、本書を構成しています。


つまり、本書自体がひとつのプレゼンテーションとなっているのです。

人前で話すのが苦手というあなた。さあ、日本でも著名な研修コンサルティンググループの紙上プレゼンテーションを体験してみては、いかがでしょうか。


本書を読むという数時間の体験が、あなたの人生を大きく変える、一生の学びになるかもしれません。


さて、プレゼンテーションの3スキルについて、簡単にご紹介します。

【プレゼンス】

プレゼンスとは、存在自体。その人の存在感、エネルギー、情熱、思い、理念、ミッション、ビジョン、つまり「生きざま」のこと。このスキルだけは、「○○○・スキル」という言葉を使わない理由は、プレゼンスは一朝一夕には、身につかない大切な要素だからです。

本書では、マザー・テレサのスピーチが例として挙げられていました。もしまだご覧になったことがない方がいれば、一度この機会にご覧いただければと思います。

▼マザー・テレサのスピーチ動画
http://www.youtube.com/watch?v=-yFzCBIK-PY&feature=related

<紹介されている方法>


  • エゴグラム

  • エニアグラム

  • ジョハリの窓

  • 自分なりのポリシーや理念を持つ方法

  • 言葉を「言霊」にする方法

  • 気功の腹式呼吸法

  • ティック・ナット・ハンの瞑想法

  • ヨガの呼吸法 プラナヤーマ


【シナリオ・スキル】

シナリオ・スキルとは、相手を観察し、相手の立場で、より客観的に言いたいこと、伝えたいこと、表現したいことなどを構造化し、伝えやすいように、伝わりやすいようにシナリオ化する能力・技術のことです。

<紹介されている方法>


  • 相手が喜ぶシナリオの作り方

  • シナリオを描きだす前の5つのプロセス

  • 相手にわかりにくいと感じさせないための「べからず5条」

  • わかりやすい話の構成

  • 4W1Hの法則

  • 説得性を高めるための「ツリー」と「マトリックス」

  • 1ページ1メッセージの原則


【デリバリー・スキル】

デリバリー・スキルとは、伝える能力・技術のことです。

<紹介されている方法>


  • メーラビアンの法則

  • 正しい発声法

  • アイコンタクトの移し方

  • 「言葉のヒゲ」トレーニング

  • 効果的なジェスチャーの方法

  • 効果的な立ち位置

  • 効果的なホワイトボードの書き方

  • リラックス法

  • 効果的なボディ・ランゲージ

  • 人を引き込む話のリズム

  • 「笑い」の効用と原則

  • 双方向コミュニケーションを実現するファシリテート・スキル

  • 信頼を深めるQ&A対応の方法

  • 場が沈黙した時の対処法


以上の様に、本書では、プレゼンテーションの意義・目的を述べるに留まらず、プレゼンテーションスキルを高めるための、方法や、効果的な練習方法が、多く紹介されています。


読んで終わりのビジネス書ではなく、実際に行動に移すための教科書として、実践書として「ツカエル一冊」であると言って過言ではありません。


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