2004.10.21

ソフトウエアの品質

今ではインターネットが普及し,誰もが日常的にソフトウエアを
使うようになってきた。
それにともない,ソフトウエアの品質に対する要求はより厳しくなり,
ソフトウエアのバグに対する社会的な責任も生じている。

私が駆けだしの頃は、ソフトウエアは「バグがつきもの」
という常識がまかり通っていた。
それどころか顧客にバグを指摘されて,
二人三脚でソフトウエアを育ててきたような気がする。

ところが携帯電話でプログラムを直接受信し,
数百万人レベルの消費者が利用する時代には
「バグがありました,どうもすみません」
という理論は通用しない。
ひとたびバグが発覚すれば,何十億かかろうと,
メーカはバグのある製品を即時に回収し,
バグのない製品と交換しなければならない。
このような理論が常識となれば,
企業内で使われるビジネスアプリケーションについても
「バグはゼロがあたりまえ」という文化が浸透していくだろう。

ソフトウエアは,ハードウエアに比べて問題発生時の責任の所在が
あいまいになりがちだった。
これまでのアプリケーションは,試用期間中にバグを発見して
対応すればすんでいたが,
インターネット時代のビジネスはテンポが早く,何ヶ月もの試用期間を
確保することはむずかしい。

いまSEに求められているのは,これまでのソフトウエア品質に対する
常識を捨て意識を変える事である。
さらに,考え方をかえれば,ソフトウエアの品質は競争力を生み出す
重要な要素であると言うことである。
機能がほぼ同じであれば,バグのない品質の高いソフトウエアを
ユーザは選ぶのは当たり前だ。
機能が横並び状態になってくると品質こそが競争要因になる。

要求は厳しい,納期は短い
しかし品質は開発者個人の努力次第で上がるはずだ・・・
と言う根性論は,もはや通用しないだろう。
SEに必要となるのは,品質を高めるための能力である。

テストと言う、地道な労力だけに頼るのではなく
ソフトウエア開発というプロジェクトの上流工程から、
品質を向上させるための工夫と準備ができるSEになろう!

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obata