2006.06.21

「どんなシステムがいいのか、ユーザにはわからない」

システム設計において、ユーザの現場から具体的な要求を求めたがるSEがいるが
私はユーザの現場の人達には、どんなシステムがいいのか、
本当のところわからないのではないかと思う

この間、テレビで住宅専門の建築家の人が
「どんな家がほしいのか、依頼者にはわからない」と言っていた

その建築家は、依頼者の具体的な要求は一切聞かない
依頼者との雑談の中から、職業、家族構成や生活習慣、趣味などを
聞き出し、依頼者にとってどんな家が心地よいのかを探っていく

システム構築を担うSEにも、共通点があると思う
ユーザとの雑談の中にこそ、本当にどんなシステムしたらいいのかの
ヒントがあることが多いのではないだろうか?

現場の要求とおりのシステムを構築したとしても、顧客(企業)にとって
本当に求めていたシステムといえるだろうか?

確かに、現場の人達から具体的な要求を聞くことは、重要だと思うが
SEとして、要求の背景をきちんと理解した上で
その顧客にとって、本当に必要なシステムとは、
どんなシステムなのかを深く検討することが重要だと思います

単に便利になる、今より楽になるというシステムは、
もう必要とされていないのではないでしょうか?

ユーザの業務の流れ、情報の流れ、物の流れ、お金の流れを
きちんと理解した上で、そこに潜む問題点が
きちんと改善されなければシステム化する意味がない

システム化することによって、部分的にはデータの入力量が多くなったり
手続きが増えたとしても、ミスが防止でき、より有効な情報が得ることが
できるのであればシステム化することによって、
最終的には、ユーザに喜ばれる結果になると考えています

また、システムは運用する人がいてこそ、稼動するものであり
ユーザが要望することをすべて実現した
いくら素晴らしいシステムを構築しても運用ができなければ、意味がない
運用する側に、わかりやすいシステムでなければいけない

それは簡易にするという意味ではない
システムの振る舞いを顧客の運用にゆだねるのではく
システムとして、きちんと間違いを防ぎ、
自然に心地よい運用ができるシステムを構築するために
知恵や技術を惜しみなくつぎ込むことが、SEには必要だと思います

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obata