デッドライン―ソフト開発を成功に導く101の法則 (単行本)

2008年7月30日  プロジェクト管理  ルウシイ杉山

実は前回、トム・デマルコの3部作といわれるものの第1作「ピープルウエア」を紹介したのだが、実際は、この第2作のこの本が間違いなく一番面白いはずです。どんなシステム開発も常にストーリーを持つ。悩めるプロジェクトマネージャーに。

ニュージャージー州にあるビッグ・テレフォン&テレコミュニケーションズ社をリストラされたシステム管理者であるトムキンスは、転職講習中になぞの女に誘拐された。

第三世界の元共産主義国であるモロビアで世界一流のソフトウエア産業を生み出すプロジェクトの為にキーとなる最初の6つの開発プロジェクトマネージャーとして見込まれたのであった。

彼のために用意された超一流のソフトウエア・エンジニアは1500人。100人もいれば十分なプロジェクトに十分すぎる人数のエンジニア。
それは、一つの製品を作るために、さまざまな実験的な抑制をかけたプロジェクトチームを3つも4つも作って同時に運営するという「プロジェクト管理実験」でもあった。

幾つか心に響いた言葉を抜いておきます。

・入出力の完全なリストのない仕様書は、見込みなしである。仕様を明確にする最初の一歩にもならない。

・仕様書がお粗末だとはだれも言わない。自分のほうが悪いのだと思いこみがちである。
・初期に人数が多すぎるとプロジェクトは重要な設計作業を省略せざるをえない。(全員に仕事を与えるため)
設計が完成する前に大勢に仕事を割り当てると、人や作業グループの間のインターフェースを最小化できない。

デッドライン―ソフト開発を成功に導く101の法則
トム デマルコ
日経BP社
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