作ったら、できてしまうかもしれない罠
2009年6月12日 カテゴリー:かしこい客になる方法 執筆者:ルウシイ杉山
プロジェクトの成功には、クライアントサイドの主体的な意思、意識といったものが不可欠です。
しかし、ときにこれが悪作用を及ぼす場合もあるということに注意しましょう。
・他の人よりも、コンピュータに詳しいからという理由でシステム開発の責任者になった人
・細かなところにこだわって、金が掛かってもいいから自分の思い通りにしたいと思っている社長
・やる気に満ち溢れていて、絶対に良いシステムを作るんだという意気込みの担当者
などなど、担当者にやる気、意欲があればあるほど、実際には逆に作用することもあるのです。
それは、どうしてでしょうか?
システム開発においても、あらゆるプロジェクトにおいても、優先順位、最重要事項ということを考えるべきなのです。
ところが、こういった「やる気にあふれた」担当者は、あれも、これもしたい、と考えます。
そして、自分の思いをかけた、ある一部分に執着したりするのです。
これが、ちょうど最重要事項であれば問題ないはずなのですが・・・えてして枝葉の部分であったりするから、余計にまずかったりするのです。
その上、システム開発を請け負う側の担当者が「能力が高く真面目な人間」であったりすると、まずいのです。
作ったら、できてしまうこと。
システム開発の要件というのは、大なり小なり、ほとんどのことがこれなのです。
作ろうと思ったら出来てしまう。
しかしそこには、時間・金・運用する人、という観念が抜けているのです。
本当に動くシステムというのは、
・作る時間も莫大にかからない
・金もそんなにかからない
・運用も楽にできる
というものなのです。
こういう担当者とうまくやって、システム開発を成功に導くためには、人間的信頼関係を築くことが絶対に必要です。
執筆者: 杉山 淳子
株式会社アイロベックス 代表取締役社長
SEとして26年のキャリアを持つ。SEという職業を誇りに思い、心から愛している。
今の願いは、「リスペクトカンパニー」 一流のプロフェッショナルにみんなを育てること。
社長のブログ掲載中 http://blog.livedoor.jp/ilovex_sugiyama/